関西現代俳句協会

■2026年3月 青年部 招待作品

野遊/佐々木歩




 野遊

 佐々木 歩




野焼くのみ愛を名を死を欲しても


石鹸玉よりもゆたかに砂がある


よく眠るだらう踏絵のいろの夜は


これはおそらく間違つた野遊だ


ひそやかに眼が殖えてくる抱卵季


てふてふの声が聞こえる罰がある


描くほどに壊死してゆくやうな春野


ふらここがひとつ世界のその果に


さよならを紙風船に入れてつく


祈らせてほしい浅蜊のかたちして


◇「野遊」:佐々木歩(ささき・あゆみ
1987年生まれ
愛知県在住 所属団体:「門」

▲関西現代俳句協会青年部過去掲載ページへ

▲関西現代俳句協会青年部トップページへ